運動性構音障害とは?

  
 運動性構音障害とは、発声や発語に関わる器官の疾患により、話し方がおかしくなる症状です。失語症とは異質の言語障ですが、失語症に合併することもあります。

 
    発声や発語に関わる器官?

発声や発語に関わる器官には、主に肺、声帯、軟口蓋、舌、顎、歯茎、歯牙、口唇があります。

  
    それぞれの働きは?

1)   肺の働きは、発声発語時の音をつくりだすために必要な呼気を流出することです。肺に関わる障害により、肺活量の減少、 呼吸持続時間の短縮、呼吸パタ−ンの異常などが生じます。その結果、声が小さくなったり、息が続かないために発語の長さ が短くなったり、息継ぎが多く発話のリズムが不規則になったり、爆発的になったりすることがあります。
2) 声帯の働きは、呼気が通ることにより振動し音をつくりだすことです。さらに、周囲の筋(喉頭諸筋)が音の強弱、高低の調 節をしています。周囲筋や声帯に緊張亢進・低下などの異常が生じると、声が小さくなったり、音の高さや強さの調節が困難 となり、アクセント、イントネ−ションが不自然になったりします。 
3) 口腔の働きは、音の特徴をつくることです。例えば口唇をしっかり閉じなければ「マ」の音はつくれません。また、「ラ」は上 歯茎まで舌を巻き上げはねかえすことが必要です。つまり、口腔は軟口蓋、舌、顎、歯茎、歯牙、口唇などからなり、それぞれ の器官が微妙に協調しあって正しい音をつくっています。これらの器官の動きが障害されると聞き手に分かりにくい不明瞭な 音になります。 

 
    訓練方法は?

訓練はタイプと重症度に応じて実施されます。正しい運動パタ−ンで目標とする動作を行わせるためには、口唇や頬、舌、 軟口蓋の運動を介助するだけでなく、必要に応じて、全身の姿勢保持や緊張緩和のための介助も必要になります。 訓練は反復的に継続しなければ効果はえられません。したがって、訓練室だけ訓練だけでなく、自主訓練を併用して毎日 無理なく継続することが大切です。 

 
    補助具とは?

1) 鼻から息漏れが多く、いわゆるフガフガ声になってしまう患者さんにはパラタルリフトがあります。これは、軟口蓋を挙上し て明瞭度を改善するために考えられた装置です。 
2) 発語でコミニュケ−ションのとれない患者さんの身近なコミニュケ−ション手段には、まず筆談があります。機能的に書字 動作の難しい患者さんは五十音表の指差しを、さらに指差しも困難な患者さんには、透明なプラスチック板に五十音表を書き、 それを顔の前に固定して視線指示をしてもらうこともあります。また、ト−キングエイドなど五十音のキ−を押すと音声がでる 機器などもあります。