高 血 圧 症 の 運 動 療 法
 運動すると血圧が下がるのですか?
 運動をすることによって
  1)体内の交感神経の緊張が緩和されます。
     ・ 心拍数の減少
     ・ 末梢血管の拡張
  2)筋肉内酵素の働きが活性化します。(インスリンと同じ働き)
  3)血中コレステロールの減少します。
     等により血圧が下がります。
 どれぐらい下がるのですか
  運動後の安静時血圧低下値は
      上の血圧 8〜18mmHg(平均11) 
      下の血圧 5〜16mmHg(平均6)
  症例
   高血圧と診断当院入院中2例(高血圧と診断)
   運動 : 体育館20周(ゆっくりとした歩行20〜25分)
   運動後5〜10分後
      上の血圧 20mmHg
      下の血圧 10mmHgの減少を認めた。
   経験上でも、下の血圧の方が下がりにくいようです。
 どれくらいの血圧が運動の適用なのですか?
  収縮血圧160mmHg
  拡張期血圧110mmHg  未満の軽度高血圧症が適応です。
  しかし、運動の種類・強度の選択により中等度の症例にも可能です。
  また、重度の症例でも薬物療法後血圧が下がれば可能です。
 運動に注意が必要な人はどんな人ですか?
   ・ 高度の高血圧症 180/110mmHg以上
   ・ 動作性狭心症 
   ・ 心不全
   ・ 重度の眼底網膜病変
   ・ 心内血栓や著明な頚動脈の狭窄、著明な血圧の日内変動がある人
 運動は、どれぐらいの強さ(運動メニュー)で行うのでしょうか?
  適切な運動 = 心拍数 110〜120回/分程度
  (最大心拍数の60〜65%に相当する心拍数)
 どんな運動の種類がいいのですか?
  全身的な有酸素運動が理想的です。
 運動強度はどのくらいですか?
  1回 200〜300Kcal/1時間
         2〜3回/週
 実際の運動は?
運動強度
 高血圧等のインスリン抵抗性症候群の方は、運動が苦手な人が多く運動をあまり行っていないので、体を動かす程度の運動から始めるとよいでしょう。
  (最大心拍数の20〜25%に相当する心拍数)
運動の種類
  全身運動でも下肢の運動を中心とした歩行やサイクリングなど生活習慣(どこでも行えるもの)に密着したものがよいでしょう。
    上肢運動 = 胸郭の筋肉の働きにより心拍数の上昇が著明
運動時間
  時間的には10分以上で20分程度
  1日2〜3回程度
  無理なく行える時間
 
 
    高 血 圧 っ て、 何 な の?
 高血圧の種類
1)本態性高血圧
  原因がはっきりしていない
  (年とともに血圧が上がる) (血圧の高い家系)
  遺伝的因子50%  生活習慣50%
  高血圧の90%が本態性高血圧
2)二次性高血圧
  原因がわかっているもの
原因
  ・腎臓の病気 ・ホルモンの異常 ・ある種の薬剤の服用
腎実質性高血圧
 ナトリユムや水分が体内に貯留
腎血管性高血圧
 腎を養ってる血管が狭くなると血圧を上げ、レニンの分泌が高まる
ホルモン
 アルドステロン(原発性アルドステロン)
 カテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)褐色細胞腫
 経口避妊薬の服用
 高血圧の症状(比較的自覚症状が少ない)
  1 : 頭痛・肩こり
  2 : めまい・耳鳴り
  3 : 動悸・息切れ・胸の痛み
  4 : むくみ・手足のしびれ
 高血圧の重症度
1)血圧の値による分類
  130/85mmHg未満 = 正常
  140〜159/90〜99mmHg = 軽度高血圧(減塩・運動)
  160〜179/100〜109mmHg = 中等度(合併症なくても治療が必要)
  これ以上 = 重度高血圧(血圧の治療と合併症の診断と管理)
2)合併症の重症度分類
     WHOの重症度分類
 第1期:臓器障害の他覚的兆候が明らかでない時期
 第2期:心肥大や少量のタンパク尿など軽い臓器変化がみられる時期
 第3期:高血圧の諸臓器の障害の結果として、心不全脳出血などの合併症がみられる時期
 高血圧の危険因子
1)食塩(食塩摂取量が多いほど血圧が上昇)
  日本人の食塩摂取量 = 12〜13g
  1日10g以下(5〜6gヶ望ましい)
2)アルコール(少量のアルコールは血圧を下げる)
  1日アルコール摂取量=ビール大瓶1本・ウイスキー70cc 日本酒1合・ワイン200cc連日はさせる
3)喫煙(動脈硬化進める)
  狭心症・心筋梗塞などの病気を非常に起こしやすくなる
4)肥満(糖尿病・高脂血症も起こしやすい)
  上半身の肥満は内臓に脂肪が付いていることが多く
  血圧が上がりやすい
 高血圧の治療と、その必要性
 * 本体性高血圧では血圧値と年齢により治療方針が少しずつ異なる
1) 130/85mmHg以上の人 = 生活習慣の改善
2) 150/95mmHg以上 = 薬物治療
3) 若い人・心臓腎臓の病気の人 = 積極的に治療
     80以上の高齢者 = ケースバイケース
4) 薬は基本的には一生飲む必要がある
 24時間血圧モニータ (1日の中でも血圧は動いている)
1) 本体性高血圧では24時間の血圧の変動の幅が大きいほど将来心血管系の合併症に陥りやすい
2) 薬の効果を24時間監視できる
 降圧目標
           成人 = 140/90mmHg未満
 糖尿病・腎障害合併 = 130/85mmHg未満
          高齢者 = 140〜160/90mmHg未満
 高血圧の治療
ライフスタイルの改善(非薬物療法から開始)
    ・ 減塩 
    ・ カロリー制限
    ・ アルコール制限
    ・ 運動
 
  1)食事療法
  2)運動療法 
  3)薬物療法
 
 高血圧患者の特徴
    ・ 高脂血症
    ・ 糖代謝異常 
    ・ 肥満
 
 
注意 : 高血圧症の方が運動を行うときは、必ず専門医の指示に従って下さい。