理学療法を受けるまでの流れ


 理学療法が必要かどうかの判定は,医師の診察により決定されます。理学療法を受けるには,医師の診察を受け,リハ処方が必要です。診察では,脳の損傷の程度・発症の原因・理学療法を行っても危険がないのかなどの検査を行います。検査で,理学療法の必要性が確認されますと主治医が訓練の処方を行います。そうして担当のセラピストが決まります。この手続きは,理学療法を安心して受けてもらうために重要な検査です。
 入院されますと検査を行い結果が判明するまでに少し時間がかかります。訓練開始まで2〜3日必要になります。




 外来で訓練を希望される方は,リハビリテーンョン科の医師の診察を受けていただき,訓練の必要性・方向性を診断をしてもらい訓練が実施されます。訓練処方は,薬の処方と同様で原則的に二週間に一度は医師の診察での経過観察・効果判定が必要です。また,ーヶ月に一度の訓練再処方が必要になります。




    日常生活を支援する道具

 脳卒中の人がよりよい生活を送るのに必要となってくる道具があります。
代表的な道具としては,装具・車椅子・杖・歩行器があります。
(1)装具
 代表的な装具としては,短下肢装具が挙げられます。訓練の進行中に使用したり,歩行時の補助として使われます。装具には,いろいろな種類があり,担当の医師・理学療法士が装具製作業者と協議し,その人にあった装具を作成します
(2)車椅子
 歩くのが困難な人,うまく歩けない人に,移動の補助として使います。装具と同様に,その人にあったサイズ,種類の車椅子を作成します。当院では,装具・車椅子の採型は火曜日の午前中に行っています。また現在では介護保健による貸し出しが受けられます。
(3)杖・歩行器
 うまく歩けない人や長い距離を歩けない人に使用します。杖・歩行器は種類も多く,人により種類・長さが違います。担当の理学療法士が指導します。当院での購入は,福祉機器展示コーナーにて行っています。


    理学療法Q&A

QI 手足が動くのに,なぜ起きたり,立ったりできないの?
 脳卒中により,起きあがったり,立ったりできないのは手足の力が弱いためではなく,起きあがりの方法,立ち上がりの方法を脳が忘れてしまったからです。さらに,感覚の麻痺も起こり,自動車の運転で言う車両感覚がとれなくなり,自分の体の幅や動作時の状況判断もできにくくなり動けば動くほど混乱しているからです。いくら思い出そうとしても,起きること立つこと歩くことは赤ちゃんの時に自然と覚えた運動ですから思い出しにくいのです。
Q2 どのような訓練をすればいいの?
 脳卒中は手足の力が弱いために動かないのではなく,脳が手足に命令をしないために動かない障害なのです。だから動かそうとする過剰努力や何回も動かす頑張りよりも,正しい動かし方をからだが想い出すことが大切なのです。
{量よりも質」の訓練が大切です。}
 自転車の練習を思い出してください。「何回も練習して足の力が強くなったから自転車に乗れるようになった」と言う人はいないと思います。練習するうちにあるとき突然バランス感覚が自然とわかったから乗れるようになったはずです。自転車と違うのは,脳卒中は一人一人すべて違う障害と考えてもよいほど個人差のある障害です。理学療法士が個人レベルに応じた運動を指導します。
Q3 星ヶ斤ではどのような理学療法を行っているの?
 星ケ丘では,脳卒中のための決まった理学療法メニューはありません。患者さんの望んでいる具体的な目標に対して理学療法メニューを立てます。
 患者さんは「歩けるようになりたい」と希望される方が多くいます。「歩ける」にはベッドからトイレまで,階段を昇降できる,通勤できると含まれる範囲が広く,理学療法士は返答できないことがあります。しかし「留守番ができるようになりたい」なら歩くことができない患者さんでも,判断力が高い人なら車椅子がうまく運転でき,ベッドと車椅子の乗り降りを一人で,できる訓練を行うことで可能となることは少なくありません。
 また「職業復帰したい」なら,会社での仕事はデスクワークであるが通勤が電車であったとしても,自家用車の通勤が可能ならば歩ける能力よりも,8時間片手で座っての仕事ができるように訓練する必要が優先されます。実際片手片足で車の運転を行っている人は多くいます。その最終判断は自動車教習所で行っています。
Q4 退院後も通院で理学療法を受ける必要がありますか?
 退院後も訓練を続けることで,患者さんの希望する目標が達成可能な場合は通院でも理学療法を受ける必要があります。通院での訓練内容は,家庭での自主訓練効果を担当の理学療法士が評価し,自主訓練メニューを変えていきます。
 通院により生活に制限がでるようでしたら通院での訓練は必要ないものです。
1カ月毎に担当医師から理学療法の処方を書いてもらうときに判断してください。通院訓練を終了した後,老化やアクシデントにより身体能力が低下したときは再度理学療法の処方を担当医師に書いてもらうと,再度訓練を行います。我々の希望する退院後の姿は障害の程度にかかわらず,障害が個性と感じられるほど充実した活動的な生活をすごして頂くことです。